ケアマネジャー試験分野別学習のポイント「介護支援分野編その一」

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ここからは、私がケアマネジャー試験勉強をしたポイントの介護支援分野について3回紹介します。是非参考にして下さい。介護支援分野は、介護保険制度を中心とする内容で構成されており、試験では25問題出題されます。以下の様に7つに区分できます。
ケアマネ試験勉強

介護支援分野の構造

1.介護保険制度の変遷と動向

  • 社会保障制度
  • 介護保険制度の改正
  • 介護保険の実施状況

2.保険者と被保険者

  • 保険者の責務
  • 被保険者の種類・内容など

3.保険給付

  • 保険の給付手続き
  • 保険給付の種類・内容など

4.要介護認定

  • 要介護認定の有効期間

5.介護保険運営に関する規定

  • 事業者及び施設
  • 介護保険事業計画
  • 地域支援事業
  • 審査請求など

6.ケアマネジメント

  • 基本姿勢、役割、機能など

7.介護支援サービス

  • 居宅介護支援
  • 介護予防支援など

この分野では、介護保険制度に係る項目が中心となっていて、介護保険法について十分に理解を深めておく必要があり、特に、上記の2~4の被保険者や保険給付、要介護認定(要支援認定を含む)と、7の介護支援サービスは、毎年出題されているので、この中でも最も重要です。




また、実際の試験では、この分野の応用として、実際の場面を想定したケアマネジャーの対応方法について問われる事例形式の問題が、近年1~2問出題されている。練習問題等で経験を積むことが大事である。

1.介護保険制度の変遷と動向

介護支援専門員基本テキスト

この項目には、社会保障制度、介護保険制度創設以前の制度の問題点、介護保険制度の改正、介護保険の実施状況が含まれる。この項目を学習する際には、ポイントをつかんで学習する部分と思いきって捨てる部分のメリハリをはっきりさせることが、効率的な学習につながる。

学習のポイント

過去問題の出題内容だけに絞る!
社会保障制度や介護保険制度創設以前の制度の問題点は、それほど頻繁に出題されているわけではなく、仮に出題された場合であっても、1問程度であることから、時間をかけて学習することは望ましくない。

この2項目は、これまでの出題内容をみると、比較的偏っている。そのため、テキストを活用せず、過去問題で出題された内容だけを学習しておけば、試験対策としては十分である。

〇制度改正の動向は時系列で覚える!
介護保険制度の改正に関する問題は、基本的に改正のあった内容の項目に盛り込まれることが多いが、単独で出題される場合もあるので、注意が必要である。

単独で出題される場合には、「地域支援事業の創設=2005年の改正」のように、その改正がいつ実施されたかを確認する問題が含まれる可能性が高い。そのため、2005年、2011年、2014年、2017年、2020年の改正のポイントを時系列に沿って覚えることが望ましい。

〇統計問題は捨てても問題ない!
介護保険の実施状況などの統計問題は、毎年出題されるわけではなく、仮に出題されても1問である。また、出題される統計調査もさまざまである。そのため、統計に関する内容は捨てて、他の頻出項目に学習時間をかけたほうがよい。

2.保険者と被保険者

介護保険利用者とケアマネ

主に介護保険法の総則及び被保険者に該当する項目が含まれる。傾向として「被保険者」に関する問題や、特に近年では、資格喪失の時期や住所地特例に関する問題が出題されている。また、2020(令和2年)年の法改正で変更された点をピックアップして、どのように変更されたかを理解しておく。

学習のポイント

〇総則は暗記しよう
介護保険法の総則の部分は、内容として、法の目的、保険者、国の責務などがあり、介護保険法の基礎であるとともに、内容量もさほど多くないので、丸々暗記しておこう。

また、定義の記載されている条文そのものは、試験では、ほとんど出題されていないが、介護保険制度の用語集として活用できるため、きちんとまとめておき、十分に理解することが重要である。

〇被保険者は簡易表・図でまとめる
毎年出題されている重要な項目のため、十分に理解できるまで、時間をかけて学習しておく。

ただし、被保険者に関する項目も、総則と同様に内容量としてはさほど多くはない。ただ条文を読んだだけでは、「~に遡って」などの難解な表現があるため、その点に注意して学習する必要がある。

また、資格取得の時期、資格喪失の時期、被保険者資格の適用除外となる施設・医療機関などを項目別にし、簡易的に箇条書き、表、図でまとめることによって、理解が深まる。

なお、住所地特例の仕組みついては、住所地特例の対象施設を暗記した上で、簡易図を用いた参考書などを活用することによって理解を深めることを勧めます。

3.保険給付

主に介護保険法の保険給付に該当する項目が含まれる。傾向として、毎年のように出題されている重要な項目である。そのため、介護給付や予防給付の種類やその内容(法改正点を含む)などを確実に理解しておく。近年では、「介護給付」や「予防給付」「保険給付の制限」に関する問題が出題されている。

学習のポイント

〇保険給付の種類をおさえる
保険給付には、介護給付として居宅介護サービス費や特例居宅介護サービス費、居宅介護福祉用具購入費などがあり、予防給付として介護予防サービス費や地域密着型介護予防サービス費、特定入所者介護予防サービス費などがある。合わせると20種類を上回る。これを丸暗記することは困難である。

そこで、介護給付、予防給付、市町村特例給付などの項目に分けてそれぞれの種類を表などにまとめ、「居宅介護サービス費」は、「居宅サービスを利用した場合に支給される」などのように簡易的に特徴をつかむことが大切である。

〇保険給付に関する事項は項目別にまとめる
この項目では、保険給付の種類だけでなく、保険給付の制限保険料滞納者に係る支払方法の変更などの規定があるため、これらを項目別にまとめておくとよい。

〇学習時間の配分を考えよう
ほぼ毎年出題されている重要な項目であり、内容も給付の種類が多いので、十分に理解できまるで、学習することが大切である。ただし、過去の傾向では、概ね1~2問の出題であり、膨大な時間をかけることは好ましくない。そのため、学習する際には、しっかり時間配分を考えて進めていく。