ケアマネジャー試験分野別学習のポイント「保健医療サービス分野編その一」

今回は、私がケアマネジャー試験勉強をした保健医療サービス分野のポイント(訪問看護・居宅療養管理指導と介護保険運営に関する規定)について紹介します。是非参考にされて下さい。

訪問看護

保健医療サービス分野の構造

①訪問看護・居宅療養管理指導

  • 穂問看護の介護報酬
  • 介護予防訪問看護の支援内容
  • 居宅療養管理指導の種類など

②リハビリテーションサービス

  • リハビリテーション計画
  • リハビリテーション会議など

③短期入所療養介護

  • 短期入所療養介護の利用対象
  • 特定短期入所療養介護など

④介護老人保健施設・介護医療院

  • 施設で提供するサービス
  • 介護老人保健施設・介護医療院の運営など

⑤高齢者の特徴

  • 加齢に伴う心身の変化
  • 若年症候群など

⑥高齢者に多い疾患

  • パーキンソン病
  • アルツハイマー型認知症
  • 老年期のうつ病など

⑦保健医療施策

  • 後期高齢者医療制度
  • 感染症予防法
  • 健康増進法など

⑧高齢者への医学的対応と介護

  • 在宅医療管理
  • ターミナルケア
  • 急変時の対応など

保健医療サービス分野の概要

保健医療サービス分野では、2017年度の第20回試験までは、20問のうち基礎が15問、総合が5問と分かれていましたが、2018年度の第21回試験からこれらの区別はなくなりました。20問当問題数に変更はありません。

保健医療サービス分野の構造は、上記のように8分類できます。なお、居宅サービス(介護予防サービスを含む)は種類が多く、それに伴い内容量も多いことから、ここでは3つに分割しました。

どの項目も偏りなく試験で出題されていますが、その中でも⑤高齢者の特徴、⑧高齢者への医学的対応と介護などは、毎年複数問出題されています。十分に理解を深めておく必要があります。

ただ、これらの項目は、内容量が多いことから、効率的な学習方法を行わないと、膨大な時間を費やしていしまうので、この点に配慮した学習計画を立てる必要があります。

また、その他の項目についても、ほぼ毎年出題されてますが、1問程度であることから、あまり多くの学習時間を費やさない、学習計画を立てましょう。

ケアマネジャー試験学習計画

①訪問看護・居宅療養管理指導

この項目には、訪問看護・居宅療養管理指導、介護予防訪問看護、介護予防居宅療養管理指導が含まれます。試験では、毎年1~3問がこの項目から出題されてます。出題内容としては、サービス内容、介護報酬(特に加算項目)、介護保険との関係が中心となっています。

学習のポイント

〇サービスの特徴を理解する

訪問看護や居宅療養管理指導を学習する際は、まずサービスの特徴を理解しなければなりません。訪問看護に関しては、どのような専門職がサービス提供にあたるのか、主治医とどのような連携が必要かについて、運営基準を中心に学習しておくと良いです。

居宅療養管理指導に関しては、どの医療機関や事業所からどのような専門職が何のサービスを提供するかという視点を持って学習すると良いです。

〇介護報酬をしっかりと覚える

試験では、介護報酬の加算項目に関する問題が頻繁に出題されている。特に訪問看護の加算項目(算定要件)に関する内容の出題頻度が高いです。

そのため、訪問看護の加算項目の種類とその算定要件はしっかりと学習し覚えておきましょう。特に介護報酬の改定で新設されたものは出題頻度が高いです。ただし、単位数はほとんど出題されることはないので覚える必要はありません。

〇予想模擬問題に着手する。

介護報酬やサービス内容など変更がある項目については、最新の情報が盛り込まれている予想問題や模擬問題を繰り返し解くことに重点をおきましょう。こうした学習によって、さらなる得点力アップにつなります。

ケアマネジャー試験分野別学習のポイント「介護支援分野編その三」

今回は、私がケアマネジャー試験勉強をした介護支援分野のポイント(ケアマネジメントと介護支援サービス)について紹介します。是非参考にして下さい。

6.ケアマネジメント

主にケアマネジメントの基本姿勢や役割、機能などに関する内容が含まれます。ケアマネジメントを含む実際の場面を想定する応用的なケアマネジメントに関する問題は、毎年出題されています。近年では「ケアマネジメントのあり方」や「モニタリング」に関する内容などもみられます。

介護保険利用者とケアマネ

学習のポイント

〇基礎を確実におさえる

この項目では、ケアマネジメントに関する内容のみを学習すればよいでしょう。まずは、基本理念の他、基本的な手順や留意点、姿勢などを表やフロー図を用いて学習し、特徴や要点を把握する方法が効果的です。

そして、応用的な部分については、過去問題や練習問題を繰り返し解いて覚えるだけでなく、必要と感じる内容をまとめるという作業をする。

そのため、ノートなどにまとめる際は、追記しやすいように、空白部を設けるなど、工夫している。

〇応用は、練習問題を活用

この項目の出題方法として多いのは、利用者や場面などの条件が設定されたり、短文事例形式で出題されることも少なくありません。

毎年1~2問程度出題されています。ケアマネジメントの基本知識を学習した後に、過去問題や模擬問題などの練習問題を活用し、できる限り様々な出題方法の問題を数多く解いて経験値をあげましょう。

なお、この項目では、参考書を活用して学習する時間よりも、練習問題を解く時間や練習問題の解説を読みながら学習する時間に比重を置くことが効率的かつ効果的です。

テキストを見るケアマネジャー受験者

7.介護支援サービス

この項目には、居宅介護支援、介護予防支援、施設介護支援の3種類が含まれます。試験では、毎年3~5問出題されている最も重要な項目の1つです。近年では、居宅介護支援と介護予防支援だけでなく、施設介護支援の出題頻度が高まっています。

学習のポイント

〇各サービスを比較して学習

介護支援サービスに関する内容で最も出題されやすいのは、ケアプランの作成過程や作成上の留意点です。

ケアプラン

各介護支援サービスのケアプランの作成者、アセスメントの方法、サービスを位置付ける際の留意点などを記載した表を作成して、それぞれのサービスを比較しながら学習していく理解しやすいです。

〇過去問題を繰り返し解く

過去問題をみてみると、出題傾向が比較的偏っています。特に過去何度も出題されている内容は、今後の試験でも出題されやすいと捉える必要があります。そのため、過去問題を繰り返し解いて、どの部分が頻繁に出題されているか、解答が「✕」となる選択肢についてはどの部分が誤りであったかをしっかりと把握しておかなければなりません。

〇満点を目指し、時間をかけて!

これまでの出題傾向をみると毎年3~5問出題されており、この項目でしっかりと得点を稼いでおくことが合格のカギになります。出題される内容の難度は高めなので、少し苦労するかもしれないが、ケアマネジャーとして勤務する時にも非常に役に立つ内容なので、時間がかかっても、満点がとれるまでしっかりと学習することが大切です。

ケアマネジャー試験分野別学習のポイント「介護支援分野編その二」

今回は、私がケアマネジャー試験勉強をした介護支援分野のポイント(要介護認定と介護保険運営に関する規定について紹介します。是非参考にして下さい。

4.要介護認定

主に介護保険法の要介護認定や要支援認定に該当する項目が含まれる。傾向として、ほぼ毎年複数問(2~4問)出題されている重要な項目である。要介護認定に至る一連の流れや認定の更新に関する項目、要介護状態区分の変更に関する項目など、内容量は比較的多いが十分に理解しましょう。近年では「認定審査」に関して出題されている。

ヘルパーを利用する介護サービス

学習のポイント

〇認定審査の一連の流れをつかむ
認定審査の一連の流れについては、過去の問題をみると、それほど多く出題されているとはいえないものの、要介護認定・要支援認定において基本かつ重要な項目なので、十分理解しましょう。

〇認定に関する項目を分けながら学ぶ
前述した認定審査を学習するのにあわせて、認定の更新や要介護状態区分の変更などの項目を学習しなければならない。ここは全体として内容量が多いが、項目別に分けることによって、1項目にかける学習時間を少なくおさえられることができ、かつ効果的に覚えられる。

テキストを見るケアマネジャー受験者

このように、学習を行う際に、内容量が多いものはその量に圧倒されてしまうが、項目別に分けて少しずつ学習することで計画的に行える。また、最初に項目を分ける際に、内容量の多い項目の全体像を把握できるため、その後の学習が効率的に行える。

なお、この項目は、この分野の中でも中心的な部分であり、出題問題数も毎年多いことから、十分に時間をかけて学習するとともに、法改正点についても必ず確認しておく必要がある。

5.介護保険運営に関する規定

主に介護保険法の事業者・施設や、介護保険事業計画など、内容量は膨大である。傾向として、ほぼ毎年複数問(4問程度)出題されている。近年では「地域支援事業」や「共生型サービス」などが問われている。

学習のポイント

〇試験頻出箇所から学習しよう
この項目を学習するにあたり、内容量が膨大であることから、順を追って学習したのでは、時間がかかり過ぎてしまう。

つまり、他の分野や項目への学習になかなかたどり着けず、試験合格を考えた場合には、非効率的なものとなる。そのため、まずは過去問題などから、頻出箇所を把握したうえで、学習時間の配分を決定する。

ケアマネ試験過去問

また、内容によっては、他の項目などと関連して学習できる内容もあるので、できる限り学習時間をかけないで、理解を深めるという効率的な学習方法が求められる。

その学習方法としては、頻出項目を優先した上で、項目別に、法の条文などを簡易的に表や図などでまとめる方法をとることが有効です。

〇新しく創設・改正されたものに注目
他の分野や項目でも同様のことがいえるが、新しく創設・改正されたものは、その年、もしくは次の年の試験で出題される傾向にある。例えば、法改正によって介護保険事業計画の見直し関する事項について出題される可能性が高い。そのため、インターネットや新聞などを活用して、日頃から最新情報をチェックして情報を収集しておく必要があります。

ケアマネジャー試験分野別学習のポイント「介護支援分野編その一」

ケアマネジャーを目指す方の支援サイト「介護支援分野」

ここからは、私がケアマネジャー試験勉強をしたポイントの介護支援分野について3回紹介します。是非参考にして下さい。介護支援分野は、介護保険制度を中心とする内容で構成されており、試験では25問題出題されます。以下の様に7つに区分できます。
ケアマネ試験勉強

介護支援分野の構造

1.介護保険制度の変遷と動向

  • 社会保障制度
  • 介護保険制度の改正
  • 介護保険の実施状況

2.保険者と被保険者

  • 保険者の責務
  • 被保険者の種類・内容など

3.保険給付

  • 保険の給付手続き
  • 保険給付の種類・内容など

4.要介護認定

  • 要介護認定の有効期間

5.介護保険運営に関する規定

  • 事業者及び施設
  • 介護保険事業計画
  • 地域支援事業
  • 審査請求など

6.ケアマネジメント

  • 基本姿勢、役割、機能など

7.介護支援サービス

  • 居宅介護支援
  • 介護予防支援など

この分野では、介護保険制度に係る項目が中心となっていて、介護保険法について十分に理解を深めておく必要があり、特に、上記の2~4の被保険者や保険給付、要介護認定(要支援認定を含む)と、7の介護支援サービスは、毎年出題されているので、この中でも最も重要です。




また、実際の試験では、この分野の応用として、実際の場面を想定したケアマネジャーの対応方法について問われる事例形式の問題が、近年1~2問出題されている。練習問題等で経験を積むことが大事である。

1.介護保険制度の変遷と動向

介護支援専門員基本テキスト

この項目には、社会保障制度、介護保険制度創設以前の制度の問題点、介護保険制度の改正、介護保険の実施状況が含まれる。この項目を学習する際には、ポイントをつかんで学習する部分と思いきって捨てる部分のメリハリをはっきりさせることが、効率的な学習につながる。

学習のポイント

過去問題の出題内容だけに絞る!
社会保障制度や介護保険制度創設以前の制度の問題点は、それほど頻繁に出題されているわけではなく、仮に出題された場合であっても、1問程度であることから、時間をかけて学習することは望ましくない。

この2項目は、これまでの出題内容をみると、比較的偏っている。そのため、テキストを活用せず、過去問題で出題された内容だけを学習しておけば、試験対策としては十分である。

〇制度改正の動向は時系列で覚える!
介護保険制度の改正に関する問題は、基本的に改正のあった内容の項目に盛り込まれることが多いが、単独で出題される場合もあるので、注意が必要である。

単独で出題される場合には、「地域支援事業の創設=2005年の改正」のように、その改正がいつ実施されたかを確認する問題が含まれる可能性が高い。そのため、2005年、2011年、2014年、2017年、2020年の改正のポイントを時系列に沿って覚えることが望ましい。

〇統計問題は捨てても問題ない!
介護保険の実施状況などの統計問題は、毎年出題されるわけではなく、仮に出題されても1問である。また、出題される統計調査もさまざまである。そのため、統計に関する内容は捨てて、他の頻出項目に学習時間をかけたほうがよい。

2.保険者と被保険者

介護保険利用者とケアマネ

主に介護保険法の総則及び被保険者に該当する項目が含まれる。傾向として「被保険者」に関する問題や、特に近年では、資格喪失の時期や住所地特例に関する問題が出題されている。また、2020(令和2年)年の法改正で変更された点をピックアップして、どのように変更されたかを理解しておく。

学習のポイント

〇総則は暗記しよう
介護保険法の総則の部分は、内容として、法の目的、保険者、国の責務などがあり、介護保険法の基礎であるとともに、内容量もさほど多くないので、丸々暗記しておこう。

また、定義の記載されている条文そのものは、試験では、ほとんど出題されていないが、介護保険制度の用語集として活用できるため、きちんとまとめておき、十分に理解することが重要である。

〇被保険者は簡易表・図でまとめる
毎年出題されている重要な項目のため、十分に理解できるまで、時間をかけて学習しておく。

ただし、被保険者に関する項目も、総則と同様に内容量としてはさほど多くはない。ただ条文を読んだだけでは、「~に遡って」などの難解な表現があるため、その点に注意して学習する必要がある。

また、資格取得の時期、資格喪失の時期、被保険者資格の適用除外となる施設・医療機関などを項目別にし、簡易的に箇条書き、表、図でまとめることによって、理解が深まる。

なお、住所地特例の仕組みついては、住所地特例の対象施設を暗記した上で、簡易図を用いた参考書などを活用することによって理解を深めることを勧めます。

3.保険給付

主に介護保険法の保険給付に該当する項目が含まれる。傾向として、毎年のように出題されている重要な項目である。そのため、介護給付や予防給付の種類やその内容(法改正点を含む)などを確実に理解しておく。近年では、「介護給付」や「予防給付」「保険給付の制限」に関する問題が出題されている。

学習のポイント

〇保険給付の種類をおさえる
保険給付には、介護給付として居宅介護サービス費や特例居宅介護サービス費、居宅介護福祉用具購入費などがあり、予防給付として介護予防サービス費や地域密着型介護予防サービス費、特定入所者介護予防サービス費などがある。合わせると20種類を上回る。これを丸暗記することは困難である。

そこで、介護給付、予防給付、市町村特例給付などの項目に分けてそれぞれの種類を表などにまとめ、「居宅介護サービス費」は、「居宅サービスを利用した場合に支給される」などのように簡易的に特徴をつかむことが大切である。

〇保険給付に関する事項は項目別にまとめる
この項目では、保険給付の種類だけでなく、保険給付の制限保険料滞納者に係る支払方法の変更などの規定があるため、これらを項目別にまとめておくとよい。

〇学習時間の配分を考えよう
ほぼ毎年出題されている重要な項目であり、内容も給付の種類が多いので、十分に理解できまるで、学習することが大切である。ただし、過去の傾向では、概ね1~2問の出題であり、膨大な時間をかけることは好ましくない。そのため、学習する際には、しっかり時間配分を考えて進めていく。