第8回ケアマネジャー過去問・解説

第8回(平成17年度)ケアマネジャー試験問題及び解説「介護支援分野」

問題21〜25までの問題及び解説です。

問題21 利用者からの苦情に対する介護支援専門員の受け止め方・対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 苦情を利用者の主体的、意欲的行動として積極的に受け止める姿勢をもつ必要がある。

2 苦情が現れた背景及び経過を十分に分析し、ケアマネジメントの向上につなげていくべきである。

3 市町村は利用者と事業者の間には介入できないので、利用者の苦情は、介護支援専門員が解決すべきである。

4 訪問介護、通所介護等の個別サービスに関する苦情であっても、介護支援専門員のアセスメント不足、サービス調整不足に起因する場合もある。

5 苦情を受けた場合には、国民健康保険団体連合会に通告する義務を負う。
「解説  答1・2・4」

1 
 (テキスト第2巻P124)

2 
 (テキスト第2巻124)

3 介護サービスに関する苦情は、そのサービスを提供したサービス事業者はもとより、居宅介護支援事業者、国保連事務局の他、市町村の窓口でも受け付ける。
 (テキスト第1巻P184)

4 
 (テキスト第2巻P124)

5 国民健康保険団体連合会に通告する義務はないが、市町村や国保連からの求めがあった場合には、報告しなければならない。

問題22 Aさん(70歳)は、夫Bさん(72歳)と2人暮らしである。Aさんに認知症の症状が現れ、要介護3の認定を受けた。Bさんは「介護保険は利用者負担が重い」と言って、Aさんが介護サービスを利用することを拒んでいる。隣町に住む長女のCさんが週に4日、Aさんの介護に訪れている。CさんはAさんの介護に疲れきっており、Aさんを特別養護老人ホームに入所させたいと考えているが、Aさんは「この家にいたい」と言ってる。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。 2つ選べ。 

1 Cさんが疲れきっていることを重視し、認知症であるAさんの話す内容にかかわらず、Cさんの負担軽減を優先して、特別養護老人ホームへの入所を提案する。

2 Aさんの世帯の経済状況が苦しいようなので、高額介護サービス費、社会福祉法人の利用者負担減免制度等についてBさんに説明し、介護サービスの利用を勧める。

3 Aさんの希望が最優先されるべきであるので、Cさんの考えにかかわらず、これまでと同様にCさんが介護を継続することを前提として、居宅サービス計画を作成する。

4 介護支援専門員が、専門家の見地から、よりAさんに適していると判断した認知症対応型共同生活介護の利用を決定する。

5 在宅での生活を望むAさんの希望とCさんの負担軽減に配慮し、通所介護や短期入所の利用を組み入れた居宅サービス計画を提案する。
「解説 答2・5」

1 介護サービスはあくまでも高齢者の「生活の質」の維持・向上をめざす観点から利用者本位の姿勢が貫かれる必要性がある。
 (テキスト第1巻P43、第2巻P20)

2 さまざまな低所得者対策が設けられている。
 (テキスト第1巻P141)

3 本人の希望を最大限考慮しながも、介護者の介護負担軽減も図る必要があるため、レスパイトケアとしてショートステイや通所介護の利用を考えていく。

4 専門的見地からの助言は必要であるが、あくまでも決定は本人が行う。
 (テキスト第1巻P65)

5 利用者が、真に必要なサービスが円滑に提供されることが必要であり、そのサービスに関する情報が、広く利用者に提供されるような配慮が必要である。
 (テキスト第1巻P81)

問題23 Aさん(75歳)はひとり暮らしである。要介護1であり、最近、認知症の症状が出てきた。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。 2つ選べ 

1 火の始末が心配なので、Aさんが自分で行っている調理等の火を扱う家事はすべて訪問介護のみで行う居宅サービス計画を作成した。

2 金銭の管理が困難となってきたので、通帳等を預かって管理した。

3 不当な訪問販売や住宅のリフォームによる被害が生じないか不安であるとAさんから訴えられたので、成年後見制度の活用を市役所に相談した。

4 散歩すると帰れなくなることがあるため、地域のボランティアによる外出の支援を居宅サービス計画に位置付けた。

5 介護支援専門員の判断により、認知症であることを近所に伝え、見守りを依頼した。
「解説 答3・4」 

1  残存機能が残されていることから、すべてを切り替えるのは適切とはいえない。

2 通帳を預かることは成年後見制度の領域となる。
 (テキスト第3巻P424)

3 身近な行政機関である市役所窓口に相談するのは正しい。成年後見制度の場合、本人自らが行った契約などについては、本人にとって不利益なものは原則として取り消すことができる。
 (テキスト第3巻P423〜426)

4 社会資源としてのインフォーマルサポートも含め、介護保険給付等の対象外サービス・サポートについても居宅サービス計画に総合的に位置付けるよう努めなければならない。
 (テキスト第2巻P19)

5 介護支援専門員の判断で個人情報を伝えるのは「個人情報保護」の観点からも不適切である。
 (テキスト第1巻P62)

問題24 Aさん(80歳)は要介護2で、脳梗塞後遺症で左足に麻痺がある。歩行に時間がかかったため、かってトイレに間に合わなかったことがあることから、現在おむつを使用している。Aさんからは自宅のトイレで排泄したいとの強い希望があり、それを可能にする居宅サービス計画を立てて欲しいとの依頼があった。これを受けて介護支援専門員が行う対応として、より適切なものどれか。 3つ選べ 

1 清潔保持のため、清拭の回数を増やす。

2 本人の歩行能力を最大限発揮するため、訪問リハビリテーションの利用を考える。

3 トイレを使用することは難しいので、おむつの使用を継続する。

4 Aさんの家族に対して、Aさんの寝室をトイレにより近い居室に移すことを提案する。

5 トイレへ行きやすい環境をつくるため、段差を解消する住宅改修を行うことを提案する。
「解説  答2・4・5」

1 左足の麻痺があり、歩行に時間を要しても移動は可能である。設問の状態であれば浴室を利用しての入浴が可能であると思われるため、清拭は適切な対応といえない。

2 訪問リハビリテーションの具体的内容には、基本動作能力の維持・回復、またADLの維持・回復が含まれている。
 (テキスト第2巻P173)

3 「間に合わなかったことがあることから、おむつ使用」とされているため、この条件のみで、トイレ利用が難しいと判断することは難しい。

4 機能性尿失禁の状態であるため、環境整備の助言は適切である。
 (テキスト第3巻P71・79)

5 身体状況に即した生活しやすい環境作りとして段差解消は有効である。
 (テキスト第2巻P289)

問題25 Aさん(79歳)は要介護5で、夫Bさん(80歳)と2人暮らしである。脳梗塞後遺症のため寝たきり状態であり、仙骨部に軽度のじょくそうがる。訪問介護を週2回、訪問看護を週2回、訪問入浴を週1回利用している。Bさんが高熱を出し、昨日、緊急入院したとの連絡があった。介護支援専門員の対応として、より適切なものどれか。 2つ選べ  

1 連絡の内容からBさんの入院が2日から3日程度で済むのではないかと考えたため、当面様子をみることにする。

2 至急、隣町に住んでいる家族に支援を依頼するとともに、居宅サービス計画の変更を検討する。

3 Aさんを緊急入院させる。

4 Aさんの了解を得て、短期入所生活介護を手配する。

5 居宅サービス計画の変更をせずに、民生委員に定期的に見回りをしてもらうように依頼する。
「解説 答2・4」 

1 介護支援専門員としての知識で判断することは適切でない。

2 2人暮らしであることからBさんはAさんの主介護者であることが想像でき、寝たきり状態のAさんの生活を継続するためには何らかの支援が必要であることから、適切である。

3 介護支援専門員の権限ではできない。

4 家族の現状も踏まえて、本人の意思確認を行い、最善の対応を考慮する。

5 Bさんの状況が変わったことで、居宅サービス計画の変更は必要である。